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鶴田謙二『ポム・プリゾニエール』

鶴田謙二の「ポム・プリゾニエール」 に心底ビックリした。

ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere

ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere

 

一応、僕なり説明すると、鶴田謙二はとても絵が上手な漫画家/イラストレーターである。まったく説明になってないので補足するが、彼が描く女の子は基本的にあまり協調性がなく、それは社会性の欠落を意味し、なおかつあまり仕事をしていない。基本的に興味のあることしかしない一方で、逆に言うと一度何かを見つければそれに突っ走る。そしてあまり服を着ない。裸でいること、水着姿であることもしばしば。そしてとても美しい。

そのあたりは「forget-me-not」「冒険エレキテ島」に詳しいのでそちらを読んで欲しい。

冒険エレキテ島(1) (KCデラックス アフタヌーン)

冒険エレキテ島(1) (KCデラックス アフタヌーン)

 
Forget-me-not (1)

Forget-me-not (1)

 

で、そもそもの「ポム・プリゾニエール」の話に戻るのだが、この本は基本的に「猫」「裸の女」「廃墟」が描かれただけである。それ以上それ以下でもなく、特に物語もない。ゆえに鶴田謙二に興味がある人は特に手に取る必要もない。エロ目的で購入した場合、幻滅は免れないと思うのでそっちの方面の人にも向かない。

ではどのような人が受け取るべきなのか、それは鶴田謙二の絵が好きな人限定だろう。さらに詳しく言うと「Forget-me-not」の熱狂的なファン。ここまで言われたらわかるだろうが、登場するのはあの伊万里マリエルである。

つまり2003年に「Forget-me-not」が刊行され、第1巻と銘打たれつつ、12年経っても続刊が刊行されず、おまけに他のシリーズが始まり、そのシリーズでさえ続刊が一向に刊行されない中、まったく関係ないフェチズム集と呼ぶべき作品が刊行され、蓋を開けてみると出てきたのは伊万里マリエルだった。そういう話なのである。

これは一体何を意味するのか、それを考えたところで意味など無いだろう。ただ大事なのは、今でも鶴田謙二の中に伊万里マリエルが健在だということ。マリエル、ベッポ、そしてベネツィアっぽい町並み。物語なんて必要ない。大事なのはその風景が残っていることだ。そのことを再確認できただけでもよかった。

ちなみに真偽はわからないが、こんなレビューを見つけた。

先日鶴田先生本人とお会いした時に
「フォーゲットミーノットの2巻以降の原稿は既にあるんだけど
掲載誌が無くなってしまって、僕の作品は売れるか微妙だし(笑)
何処も掲載してくれないから単行本が出せないんだよね
まあ気長に待っていて下さい」

Amazon.co.jp: Forget-me-not (1)の 雹さんのレビュー

これがそれなのかはわからないけど、この噂だけで生きていける。

興味のあることしかせず、社会性がなく、だらしない。そしてあまり服を着ない。今でも伊万里マリエルは魅力的なキャラクターだと思うし、今こそその存在が求められている。というか単に俺が求めてるってだけの話でした。