Don Friedman『Circle Waltz』

以前も書いたけど、最近はジャズばかり聴いている。そのきっかけとなったのがこの一枚。ドン・フリードマンの『サークル・ワルツ』。近所のCD屋さんの一角で『ジャズの100枚。』という1000円シリーズがあって、そこでジャケ買いした。

Circle Waltz

Circle Waltz

 

ジャケ買いだったのでピアニストであることさえ知らなかった。CDの帯にはこう書かれている。

エヴァンス派白人ピアニストの大人気盤にして生涯を代表する傑作。

まさにその通りで、最初に聴いた時、ビル・エヴァンスの「お城のエヴァンス」こと『At The Montreux Jazz Festival』を思い出した。うちの父は実はジャズ好きで、以前教えてくれた。普段はジャズの話はしないけど(俺が聞きたくない)、ひょんなことからそういう話になって教えてくれた。

At The Montreux Jazz Festival

At The Montreux Jazz Festival

 

ただ、実際に聴いてみると案外違ったりする。それでもエヴァンスのようなピアノだけで攻め込んでいくようなジャズを感じたので、エヴァンス派と形容されるのも頷けるというか。

それにしても表題曲となった「Circle Waltz」が本当に素晴らしい。


こんな美しい、ロマンチックな旋律にいつまでも浸っていたくなる。普段ロックとかポップミュージックばかりを聴いていて、おまけに2010年代のやたらアップテンポな曲に耳が疲れていたのだろう。染みる。

以降の「Sea's Breeze」「I Hear a Rhapsody」と、やたら聴き応えのある曲が続く。浸っていたいだけじゃなく、踊りたくなるような。こういうのをスウィングと呼ぶのだろうか。至福の40分を体験できる。

あまりに開拓され尽くしていて、あまりに名盤が確定しているジャズの世界で、まあ言ってしまえば知っている人は当然のように知っている名盤なんだけど、ちょっと冒険してみて「大成功!」という事例でした。

 

ちなみにお城のエヴァンス、聴き直してみたら「攻めてる」を通り越して狂っていた。ビル・エヴァンスのおかげでドン・フリードマンを楽しめ、ドン・フリードマンのおかげでビル・エヴァンスの凄さがますますわかったような。