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ジョージ・ミラー『マッドマックス 怒りのデスロード』

ずいぶん時間が経ってしまったけど、話題の『怒りのデスロード』の感想を。実は初日に観たのね。というわけで正直な感想を。

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そんなにおもしろいかこれ?

というわけでハマれなかったです。周囲のテンションが上がる一方で全然ハマれないのは『パシフィック・リム』以来。とはいえつまらないわけではなかったんだけど。ほくほくと映画館を後にできる程でもなかった(その後海街2回目をキメたし)。

ただし、一部で言われている「物語がない」という批判には当たらないと思う。要約すれば「行って帰ってくる」映画だけど、その中には登場人物の葛藤があるし、主人公のすばらしい機転も含まれている。フュリオサ大隊長の戦いにも意味があるし、マックスもただただ巻き込まれるだけじゃない。

 

それなら何が気に食わなかったか。

単純にアクションがつまらなかったんだよ。

本当になぜこの映画のアクションが評価されているのか理解できない。そんなにいい?少し前にDVDで観た『ミュータント・タートルズ』の方が数倍凄かったぞ。もちろんCG無しのカーアクションとCGしかないヒーローアクションを比較するのが野暮なことはわかってる。

確かにフュリオサには戦う理由があるし、巻き込まれたマックスも戦いを通して変化している。そして襲う側のイモータン・ジョーにも、フュリオサを無視できない事情がある。それにもかかわらずアクションに感情移入ができない。手に汗握ることができない。そう思うのは、あのアクションが徹底的に様式美の元で成り立っているからではないか。

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なんだよ、あの槍みたいなやつ。

なんだよ、あのハリネズミカー。

なんだよ、あのギター男。

なんだよ、あの太鼓カー。 

意味あんの?

ないよ。それはわかってる。あれを愛せるかでこの映画の評価が変わってくることも。そしてこのツッコミがただの野暮だってことも。俺は「マトリックス」が大好きだけど「あのカメラワークに意味があるの?」とか聞かれたら「興奮すんじゃねーか!!」以上の答えが言えない。「あのサングラスは?」「美学だよ!」としか言えない。

そう「見りゃわかるだろ?最高じゃねーか」と大勢が思っている中、それにハマれなかった者の孤独。でも野暮なことは言いたくない。楽しんでいる人がいればそれでいいじゃん。だったら黙ってたほうがいいな……

ごめんなさい。黙れませんでした。あの変な衣装、変な武器、変な車、変な世界観。全てを拒絶したいわけじゃないんだけど、特別おもしろくなかったです。ごめんなさい。

 

そして何より、スピード出てなくね?

砂漠でタンクローリーを運転。おまけに後続車にすぐに追いつかれる。敵方は車を走らせながらも変な棒に乗っかって空中戦をやり放題。これスピード出てないよな。そしてCGも出来る限り押さえているとのこと。実際は40km/hくらいじゃないかな……。

『1』ではGTクーべで200km/h近くをぶっぱなしていたのがマックスなわけで。もちろんあっちは道路だけど、観ているこちら側がテンション上がりすぎて死にそうになりそうだった『1』と比べると、「いつまでタラタラ走ってるんだよ!ピクニックか!」としか思えなかった。

 

トム・ハーディシャーリーズ・セロンもかっこよかったし、『1』以来のヒュー・キース・バーンの登場は胸熱以外の何物でもない。ストーリーも練ってるし、社会的な解釈だって可能。でもただ、アクションだけはハマれなかった。全然悪い映画ではないんだけど、みんなが言うほどのものか?という思いだけは最後まで残った。

ちなみに個人的にシリーズの中で一番おもしろかったのは『1』。批判されていた『サンダーロード』も割と好きです。というか『2』が苦手で、それが『デスロード』にハマれないのと重なっているのかも。