観たもの聴いたもの
みんなが大嫌いなジェリー・ブラッカイマーがプロデュースした『60セカンズ』を鑑賞。
中学制の頃に観てすごくおもしろかった記憶があったのだが、実際に見たら「いやー俺もう若かったなあー!」としか。ニコラス・ケイジに男のかっこよさを感じることは当時もさすがになかったけど、今見ると異様なキモさ。いや、演出が悪いのは間違いないんだけど、自動車泥棒としてチームを復活させて仕事にとりかかる際の演出のサムさときたら。
ジェリー・ブラッカイマーというと、『トップガン』や『アルマゲドン』『パイレーツ・オブ・カビリアン』で有名だが、個人的には『CSI』や『デジャブ』を手がけた人の印象が強い。テレビ向けのギリギリのセクシーシーンを『CSI』では追求していたけど、それを映画でやられても……としか思えないアンジェリーナ・ジョリーとニコラス・ケイジのキスシーン。俺、あんなので喜んでいたのか(笑)金髪アンジーは最高にかっこよかったけど、もうしばらく観なくていいかな。
いつのまにか椎名林檎サマの新曲が。
ジャズ/アーバンあたりだろうか。デュエットの相手は浮雲。気持ちいいけど驚きは少なめ。最近の林檎様の楽曲はロックのアレンジに振り切っていたと思ったら、ジャジーな感じも出してきた。多分、深く考えずにラフに仕上げているのだと思う。というか「NIPPON」で過去最高級の沸点を用意してしまったからにはテンポダウンが必要なのかもしれない。
浮雲が歌う
人生なんてあっけないね まして若さはあっという間
というフレーズが染みる。
コカコーラのCMの映像の方がかっこいい。
「ホンマでっかTV」のスペシャル番組「さんまでっかTV」を観た。
予告CMで観たさんまとマツコのふたり旅が気になって見たのだけど、やっぱりマツコ・デラックスのリアクションというか、さんまを相手にしながらボコボコに打ち合っても全然負けていない感は凄い。そして何よりもマツコは勝とうとしていない。例えばさんまならやる気満々の若手がやってきたとしては、明らかに勝とうとする。勝とうとした上で自らのえげつなさも笑いにする。そういうところがあるのだけど、マツコはもはや勝つ気がない。相手の魅力を引き出そうとしていない。ただただ相手の話を聞いて、そして普通に思ったことを返すだけなのである。時には共演者をいじったりするのだが、それも別にそれがおもしろいからやっているだけで、目立とうとしない。予定調和にも加わらない。
昨年の「笑っていいとも」のグランドフィナーレにさんま、ダウンタウン、とんねるず、爆笑問題、SMAP、鶴瓶が集まっていて、それはもう見応えがあったけど、本当にあれがテレビのお葬式だった。あの場所にいなかったマツコ、有吉がテレビを作っている。
とんねるずの「おかげでした」の水落企画。ゲストは「めちゃイケ」レギュラー陣。
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ナイナイ、加藤浩次、大久保佳代子、鈴木紗理奈、武田真治。それらに「おかげでした」レギュラー陣のおぎやはぎ、バナナマンも落とされるのだが、落ちるだけなのにおもしろい。頭を空っぽにしながらただ人が落とされるのを眺めるだけなのだが、そもそも「これはいじめなんじゃ……」という気がしないでもない。というかむしろこれはいじめだ。でも「その境遇を芸人なら笑いに変えて当然だ」という業界ルールを駆使して、いじめを巧妙に笑いに作り変えていく。「おかげでした」のルールがわかっているおぎやはぎ、バナナマンはみんなおもしろかった。でもそのルールを把握していない「めちゃイケ」レギュラー陣はポカーンとしている。それがおもしろい人もいるし、おもしろくない人もいた。でもそのおもしろくない空気さえもとんねるずは笑いに変える。その構造の強固さは凄い。
リアクション芸人としてのナイナイは二人とも本当におもしろくなかった。でもその素のリアクションさえ、とんねるずは料理してしまう。「ゴッドタン」でおぎやはぎやバナナマンがやっていることって、とんねるずと同じことなのだと思う。それはまあ、司会者に求められる素質なのだろうけど。
Jamie xxを聴いた。
ハウスミュージックの残響を繋ぎあわせたような音楽。マニアック。