美波リン『グリーングリーン』

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我ながらもっと語るべきものがあるだろ?と思わなくもないのだが、語るべきものは誰かが語っているけれど、この作品について語っている人は他にいないのでそれなら僕が語っておこうという妙な使命感に突き動かされて書いている。

ジャンルとしては"誘拐ハーレム農業セクシー恋愛コメディ"といったところ。ヤングキングに掲載されたので、エロシーンというかセックスシーンはかなり多め。ただし成年誌に掲載されるような描写ではなく男の妄想が含まれたものではなく、むしろ女性的な感性で描かれたもののように見える。実際、コミックス自体も成人指定はなく普通の書店で買える。基本的にはエロコメディといったところだろう。大学生男3人組が相席居酒屋で出会った美女たちに拉致されて、そのまま女だらけの農村で自給自足の生活を送らされるというもの。実際悲観的なムードはほとんどなく、肉食系の美女に男3人が食われる話。

なのだがおそろしく構成がうまい。200ページ超の1巻完結でありながら、拉致監禁のサスペンス、都市と閉鎖社会の対比、性と恋愛の逆転など様々な要素が盛り込まれていた。にも関わらず押し付けがましいところは一切なく、とってもエロい。完全なフィクションであるにも関わらず現実との接点を考えたくなる不思議な読後感がある。

上の画像を見てもらえばわかるが、カバー絵もどこかおしゃれにまとめているのは、作り手側が一般層へ届けようと思っているからではないだろうか?何かきっかけさえあれば人気が出て、深夜ドラマ化されそうな作品だと思う。エロ描写多めにも関わらず成年向けではないという微妙な立ち位置の作品だけど気にならない人にはおすすめ。構成ばかり褒めたけど絵もすごく良かったです。