イーライ・ロス『グリーン・インフェルノ』

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まずはじめに、この作品はグロを含むホラー映画なのでその耐性がない人はキツい。というのも自分はグロがダメだから。ゾンビくらいなら平気だけど、「寄生獣」くらいからはしんどい感じ。血が流れるのは大丈夫だけど、食人はさすがにしんどかった。

グロ映像はともかく、映画としては様々なテーマが組み込まれている。少数民族が暮らす原生林における破壊活動に反対する大学生グループを中心に描かれているのだが、そんな彼らへの皮肉が効いている。日本だとSEALDsみたいな人たちがひどい目に遭うし、徐々に彼らの上っ面の建前が暴かれていく。いわゆる「意識の高い」と呼ばれる人たちの考え方が、どれほど浅はかで軽薄なものなのかを暴いている。確かにその辺は痛快だった。

ただ、この映画を作ったイーライ・ロスという人が、実際にそのような人たちの本性を暴こうと思って作られたのかというと、またそれも怪しいと思うのね。「環境活動家は上っ面だけだ!」「少数民族リスペクト!」みたいな気持ちが無いとは言えないけど、むしろその辺りのテーマはきっかけ程度で、基本的には浅ましい人間がひどい目にあうだけの映画を無邪気に作っていただけのように見えた。

食人族に捕らわれていきなり喰われる男、トイレも与えられずに脱糞する女の子、ストレスを減らすのために人前で自慰するリーダー、そして外交官の娘という立場を使われた主人公。そんな彼らを捕らえ食す食人族。全員が浅ましく、ほとんど共感できない。でもまあホラー映画とはそういうものなのかもしれない。

 

以下閲覧注意。

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ところで映画の聖地、立川シネマシティにおいて「ガールズ&パンツァー劇場版」でこの映画の予告編が流れることに苦情が出て取り下げられたことについて、twitterの映画好きの間で議論がかわされていたのだが、個人的には映画の予告編は避けようがないのでグロ映像は控えめでお願いしたいところです。本編は覚悟して臨むので制限無しで大丈夫です。

 

あと細かい部分だけど、特にひどい目に合うことはない、序盤に登場する主人公の友人がスカイ・フェレイラだった。彼女だけがこの映画の救いだったよ。 

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