ドン・ホール『ベイマックス』
ディズニー映画であることが利用して、アメコミ映画の限界そのものを軽々と突破した感じ。
最近だと「アメイジング・スパイダーマン」こそあまりシリアスではないものの、最近のアメコミ映画ってシリアスな部分が少なからずある。スパイダーマン、バットマン、アイアンマン、どれも多かれ少なかれ重たあし、それはベイマックスも変わらない。主人公にとって兄の死は重くのしかかってくるわけだけど、だからといってシリアスすぎるわけでもない。そもそもがベイマックス自体、治療ロボットという側面があるので主人公を癒やすことを念頭に作られているし、おそらくあの造形も観ている僕らを癒やすことを考えてデザインされているのだと思う。あのビッグボディとチープなビニール感の組み合わせに至るまでどれほどの試行錯誤があったのだろうか。
公開後、アメコミヒーロー映画であることを抑えられた日本特有のハートウォーミングなプロモがミスリードだと指摘されていた。でも個人的に泣きそうになったのはその場面だったので、あの宣伝手法は間違ってない。
うん、全然うまく説明できてない(笑)「アナ雪」を観た時もそう思ったけど、最高の技術を持ちながらそれを控えめに用いる、その「引き」の発想が見事だと思ったのです。ディズニーの3Dアニメーション、最近はピクサーより好き。次回作も本当に楽しみ。
あとショートヘアお姉さんことゴー・ゴーが好きすぎて、後半、感動もどっか行ってました。